入場料は割安?(株)オリエンタルランドは何で儲けているのか。
みなさんこんにちは
今回は前回に引き続き株式会社オリエンタルランドを取り上げていきたいと思います。
前回はあのディズニーランドの値段を紹介したりと固定資産にスポットを当ててきました。
前回の記事はこちら
夢の国はおいくら?株式会社オリエンタルランド PBRの落とし穴 - 株式投資のための有報の読み方
今回は損益計算書の方に注目していきます。
オリエンタルランドの入場料は実は安い!?
今回の分析ではホテル事業については子会社の株式会社ミリアルリゾートホテルズが運営しているため除外しております。
まず最初にオリエンタルランドの売り上げの内訳を見ていきましょう。(2018年3月期)
金額 構成比
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アトラクション・ショー収入 186,091百万円 46%
商品販売収入 134,922百万円 34%
飲食販売収入 68,907百万円 17%
その他 6,056百万円 3%
合計 395,976百万円 100%
アトラクション・ショー収入は基本的に入場料でしょう。売上のうち入場料が占める割合は半分以下だったんですね。驚きです。
商品販売収入はお土産屋さんのディズニーグッツの売上でしょう。
入場料のの4分の3ぐらいの売上を叩き出しています。ディズニーランドのワンデーパスポートの大人料金が7,400円ですから一人当たり5,000円ぐらいお土産を買って帰っている計算です。
よく電車や新幹線でディズニーの大きな袋を持った家族連れを見かけますから、これだけ大きな売上割合を占めていても不思議ではないかもしれません。
飲食販売はディズニーランド内のレストランや、屋台で売ってるポップコーン等の売上でしょう。こちらは1人当たり2,500円ぐらいの計算です。
では気になる原価を見ていきましょう。
(注意)売上の資料と直接対応する原価の情報が開示されていないため推定値を含む情報となっております。
上記の各事業に対応する売上原価は以下の通りです。
売上 売上原価 原価率
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アトラクション・ショー 186,091百万円 205,568百万円 110%
商品販売 134,922百万円 56,130百万円 41%
飲食販売 68,907百万円 32,028百万円 46%
その他 6,056百万円 ? ?
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合計 395,976百万円 293,726百万円 74%
アトラクション・ショーの売上原価率が高く、商品販売、飲食販売の原価率は低くなっておりますが実際には、この原価率の差はもう少し小さいものであると推定されます。
商品販売は商品の仕入代金、飲食販売には材料費と人件費しか含まれておりません。
上記のアトラクション・ショーの売上原価の内訳は以下の通りです。
人件費 65,370百万円
営業資材費 11,945百万円
施設更新関連費 20,588百万円
エンタメ・ショー制作費 6,001百万円
業務委託費 11,277百万円
販売促進費 8,428百万円
ロイヤルティー 28,201百万円
租税公課 4,894百万円
減価償却費 32,488百万円
その他 16,372百万円
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合計 205,568百万円
人件費、ロイヤリティ、減価償却費あたりは、商品販売や、飲食販売に関係して発生している分も含まれているものと思われます。
そのため実際には、アトラクション・ショーの原価率はもう少し低くなっているものと推定されます。
上記を差し引いても、やはりレストランやディズニーグッツの販売がオリエンタルランドの利益の大部分を占めていると言えると思います。
ディズニーランド、ディズニーシーの入園料は他のテーマパークよりも少し高いです。でも施設のクオリティやキャストのサービスを考えればかなり安いと思います。
実際に上記の原価分析でもそれを裏付ける結果となっています。
ディズニーランドは入場料ではあまり儲からないものの、グッツやレストランできっちり利益を出しているんですね。
でもディズニーランドへ行ったら、原価の話なんてしないようにしてくださいね。
夢の国が台無しになってしまいますから!!
それではまた。